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執筆者の写真Hisayo Iden

インサイドアウト

思考から表現までの作法が、逆の人間が集まれば、それなりの品質にある対話で、相乗効果が得られる。お茶席で、表千家と裏千家の大家は、袱紗の音がするかしないかで、とりたてて喧嘩をしたりはしない。

インサイドアウトという言葉が最近気に入っている。野球やゴルフのスイングの話ではない。


アウトサイド・インは、状況を客観的に観察し、問題点をなるべく大きな切り口の中で洗い出し、修正していくことで課題を解決する。ロジカルシンキングに代表される対症療法のことだ。


アウトサイド・インは、人の感情等内面的な問題の解決にはつながりにい。


ある大手製造業の方と「事故のなぜ・なぜ」の話をしていてお聞きした言葉に、その意を深くした。


「事故の聞き取りは、感情が出てきてはじめて、解決に至ることが多い。「面倒くさい」ルールを、面倒くさいと、組織が知ることが、次の事故を防ぐ改善につながり、強い組織になれる」のだそうだ。


インサイド・アウトとは、まさにそのこと、内から外に向かって問題を解決する手法だ。


このことを考えるとき、海外で一緒に働いたメンバーをよく思い出す。たまたまかどうか、自律している仲間が多く、個々が内からの声で動いていたから、同調圧力を感じず、過ごしやすかったし、事故もなかった。ひとりひとりが強かったから、強いチームが動いていた。


もし、今まではアウトサイド・インで、感情を排すると効率が良いとされてきた職場でも、インサイド・アウトを、試してみる価値はあると思い、紹介しておきたい。


インサイドを知ろう。
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